氷の大地に長い亀裂や隆起が縦横に走る木星の衛星エウロパ

この画像に映っているのは、木星の衛星エウロパです。1990年代後半にNASA(アメリカ航空宇宙局)のガリレオ探査機が撮影した画像に新たに処理を施したものです。

ガリレオが撮影したエウロパの画像について、もともとは低解像度で色を強調した画像が公開されていました。新たに処理されたこの画像は、人の目でみたときのエウロパの姿に近いカラー画像になっています。

エウロパの表面には直線的な長い亀裂や、縦横に走って交差している隆起が見られます。また一度崩壊した表面の氷が再凍結したような場所もあります。

青や白の領域は比較的純粋な水の氷を含み、一方で赤や茶色に見える部分は氷以外の成分の濃度が高い領域です。画像の左右に見られる極域では、低緯度地域よりも青っぽく見えます。この違いは氷の粒の大きさによると考えられています。

元の画像はガリレオ探査機が1995年と1998年に撮影した画像をもとに構成されたものです。近赤外線、緑、紫のフィルタを使って撮影した画像を色合成しています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/SETI Institute

(参照)Planetary Photojournal