NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車パーサヴィアランスが、火星の日食をとらえました。画像はパーサヴィアランスのミッション開始から397火星日、2022年4月2日にマストカメラ(Mastcam-Z)で撮影されたものです。
火星には衛星が2つありますが、今回の日食はそのうちの1つフォボスが太陽に対してシルエットになって映っています。
フォボスは半径10km程度で、地球の月(半径1737.5km)と比べると非常に小さな衛星です。ただ地球から月までの距離が38万4400kmなのに対して、フォボスは火星から9376kmしか離れていません。また火星から見ると、地球から見るより太陽の見かけのサイズが小さくなります。それらにより、フォボスが非常に小さい割に、太陽の広い範囲が隠されています。
こちらはパーサヴィアランスが撮影した日食の映像です。ほぼ実時間で日食が再現されています。地球と比べると火星で見られる日食は非常に短時間しか継続しません。
なお火星探査車が日食を撮影するのは今回が初めてではありません。これまでにもNASAの火星探査車キュリオシティやオポチュニティなどにより火星の日食が撮影されたことがあります。今回のパーサヴィアランスがとらえたフォボスによる日食映像は、これまでで最もズームアップされ、最もフレームレートが高いものです。
※NASAから映像が公開されたのに伴い、2022年4月13日に公開した記事の画像・映像を差し替え、原稿を一部追記・修正して4月21日に再公開しました。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU