火星を周回中の探査機が撮影した別の火星探査機

2005年4月、火星を周回中のNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーは、同じく火星を周回中のNASAの2001マーズ・オデッセイとESA(ヨーロッパ宇宙機関)のマーズ・オデッセイを撮影することに成功しました。上の画像には、そのとき撮影されたマーズ・オデッセイが映っています。

マーズ・グローバル・サーベイヤーは1997年9月に火星の周回軌道へ入った探査機で、1999年3月から火星のマッピングを開始、2006年にミッションを終了しました。一方のマーズ・オデッセイは2001年10月に火星周回軌道へ入り、今なお観測を続ける現役最古参の火星探査機です。

マーズ・グローバル・サーベイヤーとマーズ・オデッセイはどちらもほぼ円形の極軌道を周回する探査機ですが、衝突の危険性を排除するため、マーズ・オデッセイの方が少し高い軌道を周回していました。2機の探査機は15kmまで接近することもありましたが、冒頭の画像は2005年4月21日、90km離れているときに撮影されました。

こちらは冒頭の画像と同じ角度で描いた想像図です。本体から左側にブームが伸びています。

こちらはマーズ・グローバル・サーベイヤーが撮影したマーズ・エクスプレスの実際の画像(左)とコンピュータで再現した想像図です。マーズ・エクスプレスは2003年12月に火星へ到達した探査機で、現在も火星の観測を続けています。マーズ・エクスプレスを映した画像は2005年4月20日に、約250kmと370kmの距離から撮影した2枚の画像を合成したものです。

周回中の火星探査機が、他の火星探査機から撮影されたのは、このときが初めてのことでした。

Image Credit: NASA/JPL/MSSS

(参照)Planetary Photojournal(1)(2)