2022年2月23日、NSF(全米科学財団)のダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡(Daniel K. Inouye Solar Telescope : DKIST)が最初の科学運用の試運転フェーズをスタートしたとの発表がありました。上の画像はその発表とともにリリースされたもので、DKISTで太陽の黒点をとらえた画像です(2021年5月11日に撮影したもので、試運転フェーズで撮影されたものではありません)。
DKISTは、25年以上の歳月をかけて開発された、世界最大の口径4mの太陽望遠鏡です。ハワイのマウイ島、ハレアカラ山頂付近に設置されています。2013年に建設が開始され、2020年にはファーストライトを迎えていましたが、COVID-19のパンデミックの影響で運用開始が遅れていました。2020年のファーストライト時には、これまでに撮影された太陽表面の最高解像度画像が得られていました。(参考記事:史上最高解像度の太陽画像。ダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡が撮影)
DKISTでは4mの主鏡、大気の揺らぎを補正する補償光学システム、先進的な光学・赤外線観測機器など、数多くの最新システムが組み合わされています。黒点、太陽フレア、CME(コロナ質量放出)などの現象について、高解像度画像の撮影や磁場測定などを行います。
なお望遠鏡の名称は、ハワイ州出身の元上院議員、故ダニエル・K・イノウエ氏にちなんで名付けられたものです。建設中の2013年12月に「Advanced Technology Solar Telescope」から「Daniel K. Inouye Solar Telescope」へと名称が変更されました。
Image Credit: NSO/AURA/NSF