2021年12月25日に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)は現在、主鏡の調整作業が行われています。主鏡の調整は7段階に分けられており、そのうちの2〜3段階目にあたる「セグメントアラインメント」と「イメージスタッキング」が成功したと、2022年2月25日付のJWSTのブログで公表されました。
JWSTの主鏡は、18枚のセグメント鏡からなる複合鏡です。鏡の調整のためJWSTでは、おおぐま座にあるHD 84406という恒星からの光を近赤外線カメラ(NIRCam)で撮影しました。
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この画像はアストロピクスで以前にも紹介しましたが、鏡の調整をする以前のもので、各セグメントの像がバラバラに映っています。
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主鏡調整の第1段階では、18枚の各セグメントを移動して、バラバラになっていた像を六角形の形に整列させました。
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第2段階で行われたのがセグメントアラインメントです。副鏡の位置をずらすなどしながら各セグメントの正確な位置誤差を割り出したうえでセグメントの位置を調整します。この画像は、セグメントアラインメントが終わった後のものです。
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第3段階のイメージスタッキングでは、各セグメントの像が重ねられ、星からの全ての光がNIRCamの検出器の1箇所に集められました。この画像は、18個のセグメントの像がすべて重なっています。
JWSTのチームでは現在、第4段階の作業を開始しているとのことです。光のスペクトルを取得し、それぞれのセグメントの間の垂直方向のずれ(鏡の高さのわずかな違い)を特定し調整していくことになります。