画像は、りゅうこつ座イータ星(イータ・カリーナ)をハッブル宇宙望遠鏡がとらえたものです。ハッブル宇宙望遠鏡の観測によって、これまで知られていなかったガス(画像の青い部分)の存在が明らかになりました。
りゅうこつ座イータ星は、今から170年ほど前の1840年代に、全天で2番目に明るい星になりました。大爆発が起きて急に明るくなったのです。
星の周囲には、大爆発で放出された物質からなる泡状の構造が二つ存在しています。周囲を取り囲むように存在する赤い部分は窒素からの光をとらえたもので、大爆発で周囲に放出された物質が、それ以前にすでに放出されて周囲に広がっていた物質に衝突した際の衝撃波で熱せられた領域を示しています。
泡状構造と、赤いフィラメントとの間にみられる青い領域は、ガスに含まれるマグネシウムが放つ紫外線をとらえたものです。1840年代に観測された大爆発の時に放出されたけれど、周囲の物質とはまだ衝突していない大量のガスがみつかったのです。
左下側の泡状構造の外側では、青いガスが筋状になっています。星からの紫外光が泡を突き抜けるときに、泡の表面に散在する塵の塊に一部の光がさえぎられて、周囲に影が伸びて筋状にみえています。
Image Credit: NASA, ESA, N. Smith (University of Arizona), and J. Morse (BoldlyGo Institute)
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