くじら座の棒渦巻銀河M77の新画像 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影 | アストロピクス

くじら座の棒渦巻銀河M77の新画像 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した棒渦巻銀河M77です。M77は、くじら座の方向、4500万光年の距離にあります。

M77はフランスの天文学者ピエール・メシャンが1780年に発見しました。ただ当時の天文学者は、M77を「渦巻星雲」あるいは星団だと考えていました。渦巻星雲が天の川銀河の一部ではなく、実際には遠く離れた別の銀河であることがわかったのは20世紀に入ってからのことです。

画像を見ると、明るく輝く中心部から渦を巻くように渦状腕と塵の帯が伸びています。銀河円盤には、星が形成されつつあるピンク色の領域もあちらこちらにみられます。

なおM77は海外では「Squid Galaxy(イカ銀河)」とも呼ばれているそうです。この画像では見えていませんが、長く伸びたフィラメント状の構造が、イカの触腕のように銀河円盤に巻き付いていることから、そのように呼ばれるようになったとのこと。

画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)とACS(掃天観測用高性能カメラ)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2025年4月14日に公開されました。

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたM77の画像は2013年に公開されたことがあります。今回の画像は、そのときとは異なるフィルタと最新の画像処理技術を用いた最近の観測結果が反映されています。(参考)くじら座の棒渦巻銀河M77 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, L. C. Ho, D. Thilker

(参照)ESA/Hubble