ハッブル望遠鏡がとらえた大マゼラン銀河のタランチュラ星雲と巨大星団 35 Years of Hubble Images(Year 4) | アストロピクス

ハッブル望遠鏡がとらえた大マゼラン銀河のタランチュラ星雲と巨大星団 35 Years of Hubble Images(Year 4)

この画像には、大マゼラン銀河にあるR136星団と、それを取り囲むタランチュラ星雲が映っています。ハッブル宇宙望遠鏡が1994年に撮影した画像です。

ハッブル宇宙望遠鏡は1990年4月24日に打ち上げられましたが、打ち上げ直後に主鏡がわずかに歪んでいることが判明しました。1993年12月にスペースシャトルによる保守ミッションが行われ、WFPC(広域惑星カメラ)がWFPC2(広域惑星カメラ2)に交換されました。WFPC2には、主鏡の不具合を補正するメカニズムが組み込まれていました。

冒頭の画像は、交換されたばかりのWFPC2の広視野カメラで撮影されたものです。

こちらはWFPC2の惑星カメラで撮影されたR136星団です。このカメラは広視野カメラと比べ視野は狭いものの空間解像度が高くなっています。

大マゼラン銀河は、かじき座の方向、約16万光年の距離にあります。タランチュラ星雲は、天の川銀河の近隣の銀河の中で、最も大きく最も明るい星形成領域です。R136はタランチュラ星雲の中心にある星団で、太陽の100倍以上の質量を持つ星も存在しています。

ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ35周年(2025年4月24日)に向けて、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「35 Years of Hubble Images」と題して、これまでハッブルが撮影してきた画像から各年1枚ずつ選んで公開しています。冒頭の画像はその第4弾です。

(参考)「35 Years of Hubble Images」記事一覧

Image Credit: NASA/ESA, STScI

(参考)ハッブル宇宙望遠鏡 〜 打ち上げまでの経緯と5回の保守ミッション

(参照)NASA(1)(2)