
この画像には、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河NGC 2841が映っています。NGC 2841は、おおぐま座の方向、4600万光年の距離にあります。
ハッブル宇宙望遠鏡は1990年4月24日に打ち上げられました。NASA(アメリカ航空宇宙局)はハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ35周年(2025年4月24日)に向けて、これまでハッブルが撮影してきた画像から、「35 Years of Hubble Images」と題して各年1枚ずつ選んで紹介しています。NGC 2841をとらえたこの画像は、22年目の画像として紹介されています。
銀河の中心部が明るく輝き、外に向かって星と塵が渦を巻きながら伸びています。渦状腕にところどころ青く輝いているのは若い星々です。
NGC 2841には、ピンク色のガスからなる星形成領域が見られないのが特徴的です。超高温の若い星々からの強烈な放射と恒星風が、周囲に残るガスを一掃し、自らが生まれた領域でのさらなる星形成を阻害したためだとみられています。NGC 2841は現在、他の銀河と比べて星形成率が低い状態になっています。
画像は2010年にWFC3(広視野カメラ3)で撮影され、2011年に公開されました。
(参考)「35 Years of Hubble Images」記事一覧
Image Credit: NASA, ESA, and the Hubble Heritage (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration; Acknowledgment: M. Crockett and S. Kaviraj (Oxford University, UK), R. O'Connell (University of Virginia), B. Whitmore (STScI), and the WFC3 Scientific Oversight Committee