WISE衛星が赤外線でとらえたカリフォルニア星雲

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のWISE(広視野赤外線探査衛星)がとらえたもので、カリフォルニア星雲(NGC 1499)が映っています。この星雲は、アメリカ、カリフォルニア州の海岸線に似ていることから名付けられました。画像では塵の雲が緑と赤に輝いています。

カリフォルニア星雲は100光年にわたって広がっており、夜空にある最も高温の星の一つであるメンキブによって照らされています。メンキブの表面温度は約3万7000度で、太陽の30万倍以上のエネルギーを放出しています。

メンキブは高速で移動しており、メンキブからの恒星風が星間物質と衝突して弧状の衝撃波面(「バウショック」と呼ばれます)を作り出しています。バウショックは周囲の塵の雲を加熱し、画像の中央付近に赤く見えています。

この画像では、青とシアンは3.4μmと4.6μmの波長の光で主に星の光を示しています。緑は主に塵から出る12μmの光、赤は主に温かい塵から出る22μmの光を表しています。

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NEOWISEが2024年11月に最終データをリリース

WISE(広視野赤外線探査衛星)は2009年12月に打ち上げられたNASA(アメリカ航空宇宙局)の赤外線天文衛星です。もともと全天のサーベイ観測を行っていましたが、2011年2月にいったん運用を終了し休眠状態になりました。

その後、2013年10月から運用を再開し、地球近傍天体を探索することになりました。休眠明けからのミッションはNEOWISE(地球金某天体広視野赤外線探査衛星)と呼ばれます。NEOWISEは2024年7月で科学観測を終了し、11月14日に最終データがリリースされました。冒頭の画像は、それを記念して公開された6点の画像のうちの1点です。

(参照)NEOWISE Project

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/IPAC