この画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影したもので、ハービッグ・ハロー天体「HH 211」が映っています。HH 211は、ペルセウス座の方向、地球から約1000光年離れたところにあります。
ハービッグ・ハロー天体は、生まれたばかりの星の近くで明るく輝く領域です。星から噴き出すジェットが、周囲のガスや塵に高速で衝突して衝撃波が生じた際に形成されます。HH 211の原始星は誕生してからまだ数万年以内の天体で、質量が太陽の8%程度しかありません。最終的には太陽のような恒星に成長すると見られています。
HH 211をとらえたこの画像では、左下と右上にジェットが伸びており、その先端付近が衝撃により輝いています。左下側のジェットは地球に近づく方向に噴出しており、一方、右上側のジェットは遠ざかる方向に噴出しています。また中心の原始星は、連星である可能性が示唆されています。
ウェッブ望遠鏡の観測をもとに研究チームは、HH 211のジェットの根もと付近の速度を秒速80〜100kmと推定しました。これは、似たようなジェットを持つ、より進化した原始星と比べると遅い速度です。
画像はウェッブ望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)で撮影され、ウェッブ望遠鏡の関連サイトなどで2023年9月14日に公開されました。
Image Credit: ESA/Webb, NASA, CSA, T. Ray (Dublin Institute for Advanced Studies)