ウェッブ望遠鏡がとらえた球状星団M92 太陽の10分の1の質量の星まで観測 | アストロピクス

ウェッブ望遠鏡がとらえた球状星団M92 太陽の10分の1の質量の星まで観測

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた球状星団M92(NGC 6341)。NIRCam(近赤外線カメラ)で撮影されたもので、星団の周辺部が左右に映っています。星団の中央部は明るすぎるため、星の密度が低くて暗い周辺部と同時にとらえることはできません。

球状星団は、数万〜数百万個の星が球状に集まった星団です。天の川銀河には160個ほどの球状星団が知られています。M92は、差し渡し100光年ほどの中に約30万個の星が存在しています。星団の中央部は星が非常に密に存在しており、太陽周辺より数千倍も高密度になってます。

M92はヘルクレス座の方向、約2万7000光年の距離にあります。天の川銀河で最も古い球状星団の1つで、形成されてから120億〜130億年が経過していると見られています。

ウェッブ望遠鏡は、ハッブル宇宙望遠鏡と比べてより低温の星をとらえることができます。M92の観測では、太陽の10分の1以下の質量の星までとらえられました。またハッブル望遠鏡では何百時間もかかるような低質量星の観測が、ウェッブ望遠鏡では数時間で可能だとのことです。

こちらは冒頭の画像右の左下側を拡大表示したものです。

画像は0.9μmの波長を青、1.5μmの波長をシアン、2.77μmを黄、4.44μmを赤に割り当てて合成されました。

こちらはハッブル宇宙望遠鏡がとらえたM92の画像です。Image Credit: ESA/Hubble & NASA; Acknowledgment: Gilles Chapdelaine

Main Credit: IMAGE PROCESSING: NASA, ESA, CSA, Alyssa Pagan (STScI)

(参照)Webb Space Telescope