合体銀河NGC 6240にあるブラックホール周辺の分子ガスをアルマ望遠鏡がとらえた

へびつかい座の方向、4億光年の距離にある合体銀河NGC 6240の中心付近をアルマ望遠鏡でとらえた画像です。赤い点はNGC 6240にある超巨大ブラックホールで、青はブラックホール周辺の分子ガスを示しています。

2つの銀河の衝突は今も進行中です。超巨大ブラックホールは2つあり、それらはいずれ合体して1つのより巨大なブラックホールになる可能性があります。

分子ガスは、星形成のための燃料にもなりますが、超巨大ブラックホールが成長するための食料にもなります。NGC 6240のガスのほとんどは、2つのブラックホールの間の領域にあります。従来の観測では、このガスが降着円盤である可能性が示唆されていましたが、アルマ望遠鏡の観測ではその証拠は見つかりませんでした。

その代わり、2つのブラックホールの間に、フィラメントや泡状構造を伴った混沌としたガスの流れが見られました。一部のガスは秒速500kmもの速度で外側へと放出されていました。

分子ガスの観測は、ブラックホールの質量を決めることにも役立ちます。従来のモデルではNGC 6240のブラックホールは太陽の10億倍ほどの質量と見積もられていました。しかしアルマ望遠鏡の観測から、ブラックホールの質量は太陽の数億倍ほどと推定されました。似たような合体銀河における超巨大ブラックホールの質量は、従来の測定値に比べて5〜90%少ない可能性があるそうです。

また、分子ガスが従来の予想よりブラックホールの近くにあることが分かりました。最終的にはブラックホールへ落下するか、高速で放出されるだろうとみられています。

NGC 6240では3つのブラックホールが存在するという研究が2019年11月に発表されました。しかし今回のアルマ望遠鏡の観測からは、3つ目のブラックホールに関連する分子ガスは見られませんでした。ブラックホールではなく局所的な星団だった可能性もありますが、確実なことはまだ分かりません。

Image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), E. Treister; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello

NGC 6240のブラックホールとその周辺の分子ガスの想像図。

Image Credit: NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello

https://public.nrao.edu/news/the-turbulent-life-of-two-supermassive-black-holes-caught-in-a-galaxy-crash/