この画像は、ハワイ島のマウナケア山頂付近にあるジェミニ北望遠鏡で撮影されたもので、衝突・合体が進みつつある2つの銀河NGC 4568(下)とNGC 4567(上)が映っています。これらの銀河は、おとめ座の方向、約6000万光年の距離にあります。
現在、2つの銀河の中心は2万光年離れており、どちらもまだ渦巻銀河の形を保っています。衝突がさらに進行すると激しい星形成が発生し、また銀河の構造も大きくゆがむようになります。
2つの銀河は繰り返し互いを通過しながら混ざり合っていき、やがて5億年ほど後には合体して1つの楕円銀河になると考えられています。そのころには、星形成の材料となるガスと塵はほとんどが使い果たされたり散逸したりしてしまいます。
画像は2020年に取得されたデータから作られたもので、NGC 4568には2020年に観測された超新星(SN 2020fqv)の残光も見えています。
画像はNSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から2022年8月9日に公開されました。
Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA、Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF's NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF's NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)
(参照)NOIRLab