火星探査機インサイトが観測した火星の地震、磁場、旋風

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機インサイトは、2018年11月26日に火星のエリシウム平原へ着陸して以来、観測を続けています。インサイトには地震(火星で起きる地震は「火震」とも呼ばれます)を検出する地震計、風や気圧などを測定する気象センサーの他、磁力計なども搭載されています。NASAは2020年2月24日、インサイトの観測成果をまとめたいくつかの新たな論文に関する記事をホームページで公開しました。

地震計では、これまで450以上のシグナルを検出、その大部分が風などの影響ではなく地震だろうとみられています。最大の地震はマグニチュード4.0ほどで、地殻からその下のマントルや核にまで伝わるほど強くはありません。地震は予想よりも頻繁に起きていますが、地震の規模は予想よりも大きくありませんでした。なお火星で地震を検出したのは、インサイトが初めてです。

インサイトが最初に地震を検出するまで、着陸してから数か月かかりました。その後、2019年末まで1日あたり約2回の地震を検出しました。このことは、インサイトが着陸したのが、とりわけ平穏な時期であったことを示唆しています。

かつての火星には全球的な磁場があったと考えられていますが、現在は存在していません。ただ局所的な磁場は存在しています。インサイトが搭載する磁力計で観測したところ、火星を周回する探査機のデータから予測されていたよりも10倍強いシグナルが検出されました。インサイトの着陸地点周辺の岩は、かつての全球的な磁場によって磁化されるには若すぎるため、地下にある磁化された岩に起因するものとみられています。

インサイトは風速や風向、気圧をほぼ連続的に測定しています。インサイトの気象センサーによって、何千もの旋風が検出されました。インサイトの着陸地点では、これまで気象センサーを搭載して着陸したことのある火星の他のどの場所よりも、旋風が多く発生しているとのことです。なお、砂などを巻き上げて目に見えるようになったものは「ダストデビル」と呼ばれます。インサイトのカメラではまだ撮影されたことはありませんが、これまで火星探査車などによって地表面を移動していくダストデビルが実際に撮影されたことはあります。

冒頭の画像は、インサイトが火星に着陸してまもない2018年12月6日に撮影された“自撮り”画像です。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

https://www.nasa.gov/feature/jpl/a-year-of-surprising-science-from-nasas-insight-mars-mission

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