X線と赤外線でとらえたタランチュラ星雲 ウェッブ&チャンドラ望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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X線と赤外線でとらえたタランチュラ星雲 ウェッブ&チャンドラ望遠鏡が撮影

この画像に映っているのは、大マゼラン銀河にあるタランチュラ星雲(かじき座30)です。2022年秋に公開されたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた赤外線画像(赤、オレンジ、緑、明るい青)と、チャンドラX線望遠鏡がとらえたX線画像(青、紫)の画像が合成されています。タランチュラ星雲は、天の川銀河を含む局所銀河群の中で最大かつ最も明るい星形成領域です。

チャンドラ望遠鏡がとらえたX線画像には、巨大な星からの星風によって発生する衝撃波により数百万度に加熱されたガスが映っています。チャンドラのデータはまた、超新星爆発の残骸もとらえています。超新星爆発は、次世代の星の一部となる酸素や炭素のような重要な元素を宇宙空間へと送り出します。

ウェッブ望遠鏡の赤外線画像は、星の材料となる低温ガスを示しています。ウェッブ望遠鏡はまた原始星もとらえています。タランチュラ星雲の化学組成は、天の川銀河にみられるほとんどの星雲とは異なっており、現在よりはるかに速いペースで星形成が進んでいた数十億年前の天の川銀河に似ています。ウェッブ望遠鏡の画像については以前の記事「ウェッブ望遠鏡がとらえた大マゼラン銀河のタランチュラ星雲」をご覧ください。

Image Credit: X-ray: NASA/CXC/Penn State Univ./L. Townsley et al.; IR: NASA/ESA/CSA/STScI/JWST ERO Production Team

(参照)Chandra X-ray Observatory