この画像には「ダークウルフ星雲」と愛称が付けられた星雲が映っています。ダークウルフ星雲は「ガム55(Gum 55)」という広大な星雲の一部で、さそり座の方向、地球から約5300光年の距離にあります。
画像をよく見ると、右上側の暗い領域がオオカミの頭部のようにも見えます。暗い領域は何もないわけではありません。そこには冷たい塵が高密度に存在しており、奥にある星や星雲などの光をさえぎっているために暗く見えています。
画像全体で赤みを帯びて明るく見えているのは、主に水素ガスです。星雲内で生まれたばかりの星からの紫外線放射によって電離した水素ガスが赤く輝いています。
画像は南米チリ、ESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台に設置されているVLTサーベイ望遠鏡(VST)で撮影されたもので、2024年10月31日にESOが公開しました。オリジナルデータは1万6823×1万6823ピクセルもある巨大な画像です。
Image Credit: ESO/VPHAS+ team
(参照)ESO