二酸化炭素の氷が溶け、水の氷が露出した火星の南極冠 | アストロピクス

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二酸化炭素の氷が溶け、水の氷が露出した火星の南極冠

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが、火星の南極冠をとらえた画像です。

火星の南極冠の冬の時期には、水の氷の層の上に二酸化炭素の氷の層がおおっています。暖かい時期になると二酸化炭素の氷は昇華して消えていきますが、夏になっても残る部分もあります。そのような部分を「残留極冠」といいます。二酸化炭素の氷が昇華してなくなったところは窪地になります(穴があいたようにも見えることから「スイスチーズ」と呼ばれます)。

この画像の広範囲を占める急斜面に囲まれた台地状の地形は、二酸化炭素の氷でできています。暖かくなるとともに台地は縮小し、逆に窪地の部分が広がっていきます。窪地の部分では、水の氷が露出しているとみられます。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

(参照)Planetary Photojournal