2021年12月に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、2022年夏に初のフルカラー画像を公開しました。この画像はそのうちの1つである「ステファンの五つ子」と呼ばれる銀河のグループの赤外線画像に、NASA(アメリカ航空宇宙局)のチャンドラX線望遠鏡のX線画像を重ねたものです。なお画像にはNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線データも含まれています。
「HCG 92」とも呼ばれるステファンの五つ子は、「五つ子」と呼ばれてはいますが、実際に近距離に存在しているのは5つのうち4つの銀河です。画像左側に写っている銀河は、ほかの4つより地球にかなり近いところにあります。
ウェッブ望遠鏡の画像(赤、オレンジ、黄、緑、青)には、4つの銀河の重力相互作用により、ガスや塵などからなる「尾」が伸びているのが映っています。チャンドラ望遠鏡の画像(明るい青)には、銀河の1つが時速約320万kmで他の銀河を通り過ぎるときに、ガスを数百万度に加熱した衝撃波が映し出されています。
こちらはチャンドラ望遠鏡がとらえたX線画像です。
Image Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; IR (Spitzer): NASA/JPL-Caltech; IR (Webb): NASA/ESA/CSA/STScI
(参考記事)ウェッブ望遠鏡がとらえた「ステファンの五つ子」