さそり座の球状星団ターザン4 ハッブル望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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さそり座の球状星団ターザン4 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像は、さそり座の球状星団ターザン4(Terzan 4)をハッブル宇宙望遠鏡がとらえたものです。2022年9月12日に、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされました。

球状星団は、数万から数百万個の星が互いの重力によって比較的狭い範囲に球状に集まった星団です。この画像のように、ターザン4など球状星団の中心部は星が密集した領域になっています。

この画像は、天の川銀河の中心方向にある球状星団の形や密度、年齢や構造などを調査するために行われたハッブル宇宙望遠鏡のプログラムの一環で撮影されました。

天の川銀河の中心部では、多く存在する塵とガスの雲のため球状星団の観測は困難でした。それらの雲により天体からの光が吸収されたり散乱されたりする(「星間減光」と呼ばれます)ためです。

画像はハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)とACS(掃天観測用高性能カメラ)を使って撮影されました。それらの観測装置の感度の良さにより、星間減光の影響を抑えつつ観測することができました。

球状星団の多くは100億歳以上の星からなります。ハッブル望遠鏡の画像と高度なデータ処理を組み合わせることで、天文学的には比較的正確な10億年という誤差の範囲内で球状星団の年齢が決定されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Cohen

(参照)ESA/Hubble