銀河団にガスを剥ぎ取られた「くらげ銀河」NGC 3312

この画像の中央に映っているのは、うみへび座I銀河団を構成する銀河の一つ、渦巻銀河NGC 3312です。ESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台にあるVST(VLTサーベイ望遠鏡)で撮影されました。

画像をよく見ると、NGC 3312から銀河のガスが漏れ出しているのが見えています。これは、銀河団内のガスの圧力を受けて、銀河の中のガスが引き剥がされてしまったために生じている現象です。このような現象は「動圧(ラム圧)によるガスのはぎ取り」と呼ばれます。漏れ出たガスがくらげの触手のようにもみえることから、このような銀河は「くらげ銀河」と呼ばれることもあります。

画像は2024年9月9日に、ESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

なおNGC 3312は、先日紹介した「すばる望遠鏡」の撮影画像にも映っています。(参考記事)すばる望遠鏡がとらえた2つの「くらげ銀河」

Image Credit: ESO/INAF/M. Spavone, E. Iodice

(参照)ESO