画像に映っているのは渦巻銀河NGC 1566です。かじき座の方向、約7000万光年の距離にあります。南米チリにあるセロ・トロロ汎米天文台（CTIO）のビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載された「ダークエネルギーカメラ（DECam）」で撮影されました。
この銀河は「スペインのダンサー」との愛称もつけられており、まるでダンサーの腕が激しく回転しているかのように、銀河中心のまわりを2本の渦状腕が巻きついています。
NGC 1566には、さまざまな進化の段階の星が存在しています。渦状腕の明るい青色は、若くて明るい星によるものです。渦状腕の暗い部分は塵です。渦状腕にはガスが豊富にあり、新たな星形成に最適な環境が広く存在しています。一方、銀河の中心部には低温で古い星や塵があり、画像では赤みを帯びて見えています。2010年にはNGC 1566で、超新星SN2010elが観測されたこともありました。NGC 1566の中心核は活動銀河核と呼ばれるもので、銀河中心には超巨大ブラックホールが存在しています。
NGC 1566は「かじき座銀河群」に属しています。銀河群とは50個程度以下の銀河のグループのことで、かじき座銀河群は46個の銀河で構成されています。かじき座銀河群は3つのサブグループに分けられていますが、NGC 1566はアストロピクスでも以前紹介したNGC 1515と同じサブグループの代表的な銀河です。
画像は、ダークエネルギーの解明に向けて、2013年から2019年にかけて行われた国際共同プロジェクト「ダークエネルギーサーベイ」のデータから作成されたものです。NSF（アメリカ国立科学財団）のNOIRLab（アメリカ光学・赤外天文学研究所）から2022年2月22日にリリースされました。
Image Credit: Dark Energy Survey/DOE/FNAL/DECam/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA、Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)
（参照）NOIRLab
