木星の衛星イオは、地球以外の太陽系の天体ではじめて活火山が発見された天体です。この画像はイオの「Tvashtar Catena」と呼ばれる場所での火山活動を、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ガリレオが2000年2月22日に撮影したものです。
巨大なカルデラが連なるTvashtar Catenaでは、1999年11月に活発な噴火が発生していることがとらえられました。その噴火の3か月ほど後に撮影されたこの画像の中央左側に、11月に噴火が発生した場所が暗いL字形(角度的にY字のようにも見えます)の溶岩となって見えています。画像左側で白や明るい黄色、オレンジ色の領域は、新たに噴出した高温の溶岩を示しています。
L字形の暗い溶岩の先端部分に、小さな明るい点が2つ見えます。これは溶岩流の先端部分で、まだ高温の溶岩が露出している場所です。
この画像は、ガリレオ探査機に搭載されたカメラの近赤外線、クリア、紫フィルターで撮影した画像を合成した擬似カラー画像です。画像左側の明るい白〜オレンジ色の部分は、さらに2つの赤外線フィルタの画像を使い、オレンジ色が最も低温で白が最も高温という温度の幅を表しています。
Image Credit: NASA/JPL/University of Arizona
(参考記事)活発な火山活動がある木星の衛星イオ