ハッブル望遠鏡が見た、おとめ座銀河団の銀河NGC 4654 | アストロピクス

ハッブル望遠鏡が見た、おとめ座銀河団の銀河NGC 4654

この画像は、おとめ座にある中間渦巻銀河NGC 4654をハッブル宇宙望遠鏡がとらえたものです。NGC 4654は地球から約5500万光年離れたところにあります。中間渦巻銀河とは、中央部に棒状構造がある棒渦巻銀河と、棒状構造のない渦巻銀河の中間に分類される銀河です。

NGC 4654は、おとめ座銀河団に属する銀河の一つです。NGC 4654は銀河団内を動いており、銀河団のガスの圧力によってNGC 4654のガスがはぎ取られている可能性があると見られています。そのような現象は「動圧(ラム圧)によるガスのはぎ取り」と呼ばれます。

動圧(ラム圧)によるガスのはぎ取りを経験した銀河では、星の材料にある低温ガスがなくなってしまうため、新しい星はあまり形成されません。しかしNGC 4654での星形成速度は、同じサイズの銀河とほぼ同じです。

画像は2023年10月2日、NASA(アメリカ航空宇宙局)から公開されました。

Image Credit: NASA's Hubble Space Telescope, ESA, and J. Lee (Space Telescope Science Institute); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)

(参照)NASA Science