南天の回転花火銀河M83 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

南天の回転花火銀河M83

「南天の回転花火銀河」とも呼ばれている棒渦巻銀河M83。うみへび座の方向、約1500万光年の距離にあります。南米チリにあるセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)のビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載されたダークエネルギー・カメラ(DECam)で撮影されました。

M83は、地球から見て銀河円盤をほぼ真正面に向けているため、渦状腕の構造などを詳しく観測することができます。直径は5万光年ほどで、私たちの天の川銀河の半分ほどの大きさです。

銀河全体にわたって暗く見えているのは塵の帯です。奥にある星の光を塵がさえぎっているために暗く見えています。また銀河全体にピンク色の斑点状の領域が見られますが、これらは電離した水素ガスで、星形成領域を示しています。

DECamは1回の露光で3平方度の範囲を撮影できる5億7000万画素の広視野カメラです。DECamは文字通り、宇宙に存在する正体不明のエネルギーであるダークエネルギー(暗黒エネルギー)を調べるために使われていました。DECamによるダークエネルギーサーベイは2013年から2019年まで行われましたが、その後は天体観測などに利用されています。

画像はNSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(National Optical-Infrared Astronomy Research Laboratory)から2021年2月8日にリリースされました。

Credit: CTIO/NOIRLab/DOE/NSF/AURA
Acknowledgment: M. Soraisam (University of Illinois)
Image processing: Travis Rector (University of Alaska Anchorage), Mahdi Zamani & Davide de Martin

(参照)NOIRLab