NASAの最新ミッションPUNCHがとらえた太陽コロナの大噴出 | アストロピクス

NASAの最新ミッションPUNCHがとらえた太陽コロナの大噴出

2025年3月に打ち上げられたNASA(アメリカ航空宇宙局)のPUNCHミッションで、太陽の上層大気コロナをとらえた初期データの一部である最新画像が公開されました。

PUNCHは、太陽コロナからどのようにして太陽風(太陽から噴き出す荷電粒子の流れ)が形成されるのかの謎に迫ろうというミッションです。PUNCHミッションは、スーツケースほどの大きさの4つの衛星を一体的に運用することで、仮想的な一つの観測機器として機能するようになっています。4つの衛星は、昼夜境界線上の極軌道(北極と南極上空を通る軌道)を周回しており、つねに太陽を観測することができます。衛星の1つが太陽近傍を狭角カメラで撮影し、残りの3つの衛星がさらに外側の領域を広角カメラを使って三つ葉状に撮影します。

こちらの画像は、PUNCHミッションの衛星の1つに搭載された狭角カメラとらえたもので、2025年6月3日の太陽の上層大気コロナのようすが映っています。太陽自体は明るすぎるため隠されています(中央の黒い円)。画像上部にCME(コロナ質量放出)が見えています。

こちらは5月末から6月初旬にかけて撮影された画像をもとに作成された映像です。太陽付近は1つの衛星の狭角カメラ、周辺は他の3つの衛星に搭載された広角カメラで撮影されました。前の画像に映るCMEがさらに外側へ広がっているのも映っています。太陽の左下側にオリオン座、画像の右端には金星が見えています。中央付近の破線は、NASA・ESAの太陽観測衛星SOHOのLASCO C3の視野。

Image Credit: NASA/SwRI

(参照)NASASwRI