天の川と大マゼラン銀河、そしてBlackGEM望遠鏡 | アストロピクス

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天の川と大マゼラン銀河、そしてBlackGEM望遠鏡

この画像は、ESO(ヨーロッパ南天天文台)が2022年7月25日に「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開したものです。南米チリのアタカマ砂漠にあるESOラ・シヤ天文台で撮影された画像で、夜空には天の川や大マゼラン銀河、地上には重力波の発生源を探るために設置された光学望遠鏡群「BlackGEM」が映っています。

BlackGEMは、EGO-VirgoやLIGOなどの重力波検出器と連携して、ブラックホールや中性子星の合体などの事象を探索します。

それらの事象により発生した重力波がVirgoやLIGOで検出されると、BlackGEMは宇宙の広範囲を観測して重力波を発生させた天文現象を可視光で探索します。BlackGEMの観測の後は、ESOのVLT(超大型望遠鏡)など他の望遠鏡による詳細な追跡観測が行われます。

なお画面右のBlackGEMの1基は、撮影時にはまだドームが設置されておらず土台だけが映っています。

夜空には画面左上から右下にかけて天の川が流れ、画面右上に大マゼラン銀河が見えています。中央上にある明るい星は、りゅうこつ座の1等星カノープスです。空がぼんやりと赤や緑に染まっているように見える部分は「大気光」です。大気光は、上層大気の化学反応によって生じるごく淡い光です。

Image Credit: Zdeněk Bardon (bardon.cz)/ESO

(参照)ESO