ハッブルがとらえた惑星状星雲NGC 6751 〜 30 Years, 30 Images #10(2000年)

画像は、みずがめ座の方向、6500光年の距離にある惑星状星雲NGC 6751を、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたものです。NGC 6751は、中心に見える高温の星から、数千年前にガスが放出されてできた星雲です。

惑星状星雲は、小さな望遠鏡で見たときに惑星のように丸く見えたことから名付けられたもので、実際には惑星とは全く関係ありません。太陽と同じくらいの質量の星は、進化の最終段階で赤色巨星となり、やがて星の外層からガスが放出されて広がっていき、中心に星の“芯”が残されます。周囲に広がったガスが中心の星からの紫外線を受けて電離して輝いているのが惑星状星雲です。私たちの太陽も、60億年ほど後には惑星状星雲になるとみられています。

青色は最も高温で輝いているガスで、中心星のまわりにほぼ円形のリングを形成しています。オレンジ色と赤色は低温のガスです。低温のガスは、中心星から外向きにほぼ筋状に広がっています。また星雲の外縁には、星雲を取り囲むようにリング状にガスが分布しています。

星雲内のこれらの低温のガスの起源は分かっていません。しかし筋状の構造の存在は、それらの形が中心星からの放射と恒星風が影響していることを示しています。中心星の表面温度は、約14万℃と推定されています。

ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ30周年(2020年4月24日)に向けて、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「30 Years, 30 Images」と題して、これまでハッブルが撮影してきた画像から各年1枚ずつ選んで公開しています。

30 Years, 30 Images

冒頭の画像はその10枚目、2000年にリリースされたものです。

Image Credit: NASA, The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)

https://www.flickr.com/photos/nasahubble/49576814042/in/album-72157713228021437/

https://hubblesite.org/contents/media/images/2000/12/956-Image.html