ディープインパクトがとらえた、人工物の衝突で光るテンペル第1彗星

テンペル第1彗星を、NASA(アメリカ航空宇宙局)のディープインパクト探査機がとらえた画像です。ディープインパクトは、彗星に重量約372kgの「インパクター」を衝突させ、彗星から飛び出してきた物質や表面の変化を観測しました。画像はインパクターの衝突67秒後に撮影されたものです。衝突地点周辺は衝突による光が明るすぎて白飛びしています。衝突地点以外では彗星表面のようすが見えています。

テンペル第1彗星は木星付近に遠日点がある「木星族」彗星の一つです。現在、5.56年かけて太陽を公転していますが、その軌道は時間とともにゆっくりと変化します。1867年に発見された当時は5.68年かけて太陽を公転していました。非常に小さな彗星で、画像に映る核の大きさは6kmほどです。

2005年1月12日に打ち上げられたディープインパクト探査機は、2005年7月1日にテンペル第1彗星へ到着し、7月4日にインパクターを彗星に衝突させました。衝突時の彗星とインパクターの相対速度は時速約3万7000kmでした。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/UMD

(参照)Planetary PhotojournalNASA Solar System Exploration(1)(2)