実は2つの銀河団だった銀河団Abell 3192 ハッブル望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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実は2つの銀河団だった銀河団Abell 3192 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像には、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河団「Abell 3192」が映し出されています。ほかの銀河団と同様に、Abell 3192も高温ガスとダークマターに満たされています。画像には、ダークマターなどによる重力レンズ効果のため歪んでしまった遠方銀河の像もみえています。

この銀河団はもともと、ある特定の距離に存在する1つの銀河団だと考えられていました。ところがその後の観測によって、実際には距離の異なる2つの銀河団が重なってみえていることが判明しました。

手前側の銀河団は地球から23億光年、奥の銀河団は54億光年の距離にあります。質量はそれぞれ、前者が太陽の約30兆倍、後者が約120兆倍に相当するとみられています。

画像中央には、「MCS J0358.8-2955」とよばれる遠方の銀河団があります。また中央にある2つの巨大銀河は、いずれもMCS J0358.8-2955を構成する銀河です。画像にみられるそのほかの小さめな銀河は、Abell 3192の2つの銀河団に属する銀河がまざっています。

画像はハッブル望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)とWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2023年11月27日に公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, G. Smith, H. Ebeling, D. Coe

(参照)ESA/Hubble