火星の北極冠の端にみられる岩棚を「偵察衛星」が撮影 | アストロピクス

火星の北極冠の端にみられる岩棚を「偵察衛星」が撮影

この画像は火星の北極冠の端の一部をとらえたものです。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)が撮影しました。

火星の極冠は季節によって変化しますが、氷が1年中とけることのない永久極冠の端には、水の氷や塵などを含む地層が露出しています。これらの地層は、過去数万年間の異なる気候条件に対応しているとみられています。

画像は、そのような北極冠の端の部分を拡大したものです。それぞれの層の侵食のされ方が異なっており、侵食に強い層もあれば、逆に侵食に弱い層もあります。侵食されにくい層は岩棚を形成しています。

MROの「リコネッサンス(reconnaissance)」とは「偵察」という意味です。その名の通りMROのHiRISEは、火星表面を非常に高解像度で撮影することができます。MROに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2016年4月18日に撮影されたもので、2023年3月18日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE