この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたレンズ状銀河NGC 4694です。おとめ座の方向、5400万光年の距離にあります。レンズ状銀河は、楕円銀河と渦巻銀河の中間のタイプの銀河です。
NGC 4694に銀河円盤はありますが渦状腕はみられません。しかし楕円銀河とは異なり、NGC 4694の恒星は比較的若く、中心核では新しい星が活発に形成されています。また通常は若くて活発な渦巻銀河にみられるようなガスと塵が満ちています。楕円銀河の場合は、大量の塵が存在することはありますが、新たな星の形成に必要なガスはありません。
画像にも映っているように、NGC 4694に存在する暗い塵は乱れた構造をしています。またNGC 4694の周囲に存在する水素ガスの雲が、近くにあるVCC 2062という矮小銀河にかすかにつながっていることが分かっています。これら2つの銀河は、かつて激しく衝突したことがあり、大きいほうのNGC 4694が小さいほうの銀河からガスを引き寄せています。
画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年9月30日に公開されました。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Thilker
(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧
(参照)ESA/Hubble