直径6光年に太陽の5万倍以上の質量「超星団ウェスタールンド1」 ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影

この画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影したもので、散開星団ウェスタールンド1が映っています。ウェスタールンド1は、さいだん座の方向、約1万2000光年の距離にあります。ウェッブ望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)で撮影されました。

ウェスタールンド1は、「超星団(super star cluster)」と呼ばれるタイプの巨大な星団です。星団の年齢は350万〜500万歳と推定されています。何百個もの大質量星が含まれており、なかには太陽の100万倍の明るさで輝く星や、土星軌道に相当する太陽の2000倍の大きさの星もあります。

ウェスタールンド1の質量は太陽の5万〜10万倍と考えられており、すべての星が直径6光年未満の領域に詰め込まれています。太陽から隣の恒星までの距離が約4光年であることを考えると、非常に高密度であることがわかります。

天の川銀河では、100億年ほど前に星形成が活発だった時期がありました。そのころの星形成のほとんどが、太陽の1万倍以上の質量をもつ超星団で起きたと考えられています。ウェスタールンド1のような超星団の観測は、そのような時代の手がかりを与えてくれます。

ウェスタールンド1は天の川銀河にある超星団の中では最大で、地球に最も近い超星団です。非常に多くの大質量星が存在しているため、4000万年以内に1500以上の超新星が発生するとみられています。

ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2024年10月4日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。

(参考記事)4光年に1000個以上の星が密集 「超星団」ウェスタールンド1

(参考)ウェッブ望遠鏡Picture of the Month

Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, M. Zamani (ESA/Webb), M. G. Guarcello (INAF-OAPA) and the EWOCS team

(参照)ESA/Webb