ハッブル宇宙望遠鏡が、姿勢制御用のジャイロスコープの運用を変更したことは、アストロピクスでも先日お伝えしました。これまで3つのジャイロを使って運用していたのですが、特定の1つのジャイロの不具合が続いたことから、ジャイロを1つだけ使って運用する方式に変更したのです。
冒頭の画像は、新たな運用モードに入ってから初めて撮影された新画像の1つです。画像には、かじき座にある渦巻銀河NGC 1546が映っています。銀河中心からの逆光に照らされた塵が目立っています。塵は、銀河中心からの光を吸収して、やや赤みを帯びて見えています。銀河中心は黄色みを帯びており、古い星が集まっていることを示しています。
NGC 1546の左には、地球に対して真横を向いた渦巻銀河が見えています。背景にはそのほかにも遠方の銀河がいくつか映っています。
この画像について、NASA(アメリカ航空宇宙局)ゴダード宇宙飛行センターのハッブル望遠鏡上席プロジェクト科学者であるJennifer Wiseman博士は「望遠鏡の新たな、より安定した指向モードが完全に成功したことを示している」と述べています。
(参考記事)ハッブル宇宙望遠鏡、1ジャイロモードに移行し科学観測を再開
Image Credit: NASA, ESA, STScI, David Thilker (JHU)
(参照)NASA