NASA(アメリカ航空宇宙局)は2024年6月14日、ハッブル宇宙望遠鏡を1つのジャイロスコープを使って運用するモードに移行し、科学観測を再開したと発表しました。望遠鏡やその他の機器は安定しており、正常に機能しているとのことです。
ジャイロは、望遠鏡の姿勢制御をするためのシステムの一部です。これまで3つのジャイロを使用して運用してきましたが、そのうち1つのジャイロに不具合が発生し、5月24日にセーフモードに入って科学観測を中断していました。そのジャイロは、ここ半年ほどの間に、何度か不具合が発生していました。
望遠鏡を効率よく運用するには、3つのジャイロが必要です。ただNASAは、一部制限が生じるものの、1つのジャイロでもほとんどの科学観測を継続できるとしています。
ハッブル宇宙望遠鏡には6つのジャイロが搭載されています。スペースシャトルによって行われた2009年の最後の保守ミッションから10数年が経過するなかで3つのジャイロが故障し、残り3つのジャイロでの運用が続けられてきました。そのうちの1つで不具合が頻発するようになったことから、1つのジャイロでの運用に切り替えられました。
正常に動作しているもう1つのジャイロは、予備となります。問題のあるジャイロについても、将来再び使用できるかどうか監視していくことになっています。
(参考記事)ハッブル宇宙望遠鏡、姿勢制御用のジャイロの数を減らして運用継続へ
Image Credit: NASA
(参照)NASA