ジュノー探査機が3つの異なる波長で見た木星の北極周辺の渦

これらの画像はいずれも、NASA(アメリカ航空宇宙局)のジュノー探査機がとらえた木星の北極付近のようすです。マイクロ波(左)、可視光(中央)、紫外線(右)という3つの異なる波長で、木星の北極周辺にある低気圧がとらえられました。

右の赤外線画像はジュノー探査機のJIRAM(赤外線オーロラマッピング装置)で、中央の可視光画像はジュノーカムでとらえられたものです。どちらの画像にも低気圧の渦がはっきりと、似たようなサイズで映っています。

左のマイクロ波のデータは、ジュノー探査機のMWR(マイクロ波放射計)で得られたものです。マイクロ波を使うと、木星の雲の下の方まで見ることができます。左の画像では4時と6時の方向の低気圧でマイクロ波が明るく見えており、少なくとも雲頂から100km下まで低気圧があることを示しています。それらの2つの渦のサイズは、可視光や赤外線の画像と似ていますが、それ以外の渦は放射強度が非常に弱くなっていることがわかります。

また可視光と赤外線の画像では、中央の低気圧がはっきりと見えています。一方でマイクロ波の画像では、中央の低気圧はほとんど見えていません。これは中央の低気圧の雲の下の構造が、周囲の渦とは大きく異なることを示唆しています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/ASI/INAF/JIRAM

(参照)JPL