この画像に映っているのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーがとらえた木星の表面の巨大な嵐です。2017年10月24日、ジュノー探査機が9回目の木星最接近(PJ9)を行った際に撮影されました。
巨大な嵐は反時計回りに回転しています。さまざまな高度の雲が見えており、暗い雲は明るい雲よりも大気の下層にあると見られています。明るい雲の「腕」の一部には、周囲の雲頂よりも上に突き出している「ポップアップ雲」と呼ばれる小さな明るい雲が映っており、雲の右側に影を落としています。小さいといっても、ポップアップ雲やその影は7〜12kmほどの大きさがあります。
ジュノー探査機は画像を撮影した時点では、53日間で木星を1周する軌道をまわっていました。ジュノー探査機は木星に最接近するたびに、搭載しているジュノーカムというカメラで木星表面を撮影しています。そのデータは一般に公開され、誰でも処理することが可能です。
この画像は市民科学者のGerald Eichstädt氏とSeán Doran氏がジュノーカムのデータをもとに作成したものです。元の画像が撮影されたとき、ジュノー探査機は木星の雲頂から約1万108kmの距離のところに位置していました。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstadt/Sean Doran © CC NC SA