カリブ海に近づくサハラ砂漠からの砂塵をISSからとらえた

この写真は2020年6月21日、大西洋上空のISS(国際宇宙ステーション)から撮影したものです(Credit: NASA)。手前側に見えている薄い黄土色の部分が陸地のようにみえるかもしれませんが、これは大気中に舞う大量の砂塵です。砂塵はアフリカのサハラ砂漠からやってきました。

先日、サハラ砂漠で舞い上がった大量の砂塵が大西洋に流れ出しているようすを、地球観測衛星が撮影した画像を紹介しました。そのとき紹介した画像は6月18日に撮影されたものでした。冒頭の写真が撮影された21日には、砂塵がさらに西へと流されていました。

こちらは、冒頭のISSの写真が撮影された時刻より30分ほど前に、NOAA/NASAの地球観測衛星NOAA-20が撮影した画像です(Credit: NASA Worldview)。画像左にはプエルトリコやドミニカ共和国、左下にはベネズエラが見えており、すでにカリブ海上空まで砂塵の一部が到達していたことが分かります。

なお、NOAA-20の画像の右上隅あたりが、ISSの写真の中央付近になります。

先日の記事でも書きましたが、アフリカからの砂塵は、遠く南北アメリカの大気の質に影響する可能性があります。一方、アマゾンの土地を肥沃にしたり、カリブ海のビーチを形成するなど、生態学的に重要な役割も果たしています。

https://images.nasa.gov/details-iss063e032020