ルーシー探査機がフライバイ時に撮影した地球と月 | アストロピクス

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ルーシー探査機がフライバイ時に撮影した地球と月

木星のトロヤ群小惑星の観測を目指すNASA(アメリカ航空宇宙局)の探査機ルーシーが、2022年10月16日に地球でフライバイを行いました。画像は地球に接近中の10月15日に62万kmの距離から地球をとらえたものです。中央右側にオーストラリア大陸が見えています。判別はできませんが、画像上端付近には日本列島もあります。

木星の公転軌道上には、木星の進行方向とその逆側それぞれ60度離れた「ラグランジュ点」とよばれる場所に「トロヤ群小惑星」と呼ばれる小惑星群が存在しています。ルーシーは、そのトロヤ群小惑星を間近から観測する初めての探査機です。(参考記事:木星のトロヤ群小惑星を目指す探査機ルーシー

木星軌道に向かうため、ルーシー探査機は合計3回、地球でフライバイを行い、地球の重力を利用して加速します。今回は3回のうち最初のフライバイでした。ルーシー探査機は太陽の方向から地球へ接近してきたため、太陽光が全面に当たり欠けることなく地球が見えています。

撮影はルーシー探査機に搭載されたメインのカメラではなく、「T2CAM(terminal tracking cameras)」というカメラで行われました。T2CAMは広視野のカメラで、主にルーシー探査機が小惑星に接近した際に自動的にロックして追跡するために使われるカメラです。

こちらは冒頭の画像より前の10月13日に、ルーシー探査機が140万kmの距離から地球と月を撮影したものです。こちらの画像もT2CAMで撮影されました。

Image Credit: NASA/Goddard/SwRI

(参照)NASA