サハラ砂漠で並ぶ火山性クレーターと衝突クレーター | アストロピクス

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サハラ砂漠で並ぶ火山性クレーターと衝突クレーター

円形の凹地のことを「クレーター」と呼びます。クレーターには火山の噴火によってできたものと、隕石衝突によってできたもの(衝突クレーター)があります。上の写真には、その両方の成因によってできたクレーターが映っています。

写真は、ISS(国際宇宙ステーション)からサハラ砂漠の一角を撮影したものです。写真左には楯状火山「Emi Koussi」があります。噴火によって形成された複数のカルデラが重なり、標高3415mの山頂に楕円形の大きな凹地を作っています。カルデラの中に小さなクレーターも見られます。「Emi Koussi」は火山ではありますが、歴史的に火山活動が記録されたことはありません。

火山性のクレーターが下からの力によってできるのに対して、写真右側に見えるアオルンガ・クレーターは、上からの力によって形成されたものです。このクレーターは、約3億7000万〜3億4500万年前の隕石衝突によってできたと考えられています。このクレーターは、1つの隕石によってできた3つの衝突クレーターのうちの1つである可能性があります。ほかの2つは砂漠に埋もれていて見えていません。

なお、ISSから撮影されたアオルンガ・クレーターの写真を紹介した過去記事はこちらをご覧ください。

Image courtesy of the Earth Science and Remote Sensing Unit, NASA Johnson Space Center

(参照)Gateway to Astronaut Photography of EarthNASA Earth Observatory