南極大陸東部で急速に崩壊した棚氷 | アストロピクス

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南極大陸東部で急速に崩壊した棚氷

2022年3月、南極で棚氷が急速に崩壊したことが観測されました。上の2枚の画像は、地球観測衛星ランドサット8がとらえたもので、棚氷が崩壊する前後の画像です。1枚目は崩壊後の2022年3月23日、2枚目は崩壊前の1月9日に撮影されました。

こちらは崩壊の進行を示す画像です。これらの画像は、地球観測衛星テラとアクアがとらえたものです。

左上は2月22日に撮影された棚氷です。右上は3月12日に撮影された画像で、「C-37」と名付けられた氷山が映っています。この氷山は、3月上旬に棚氷から分離した当初は約144平方kmの面積がありましたが、3月12日の時点では約81万平方kmになっていました。左下の3月16日の画像では、415平方kmの氷山「C-38」も映っています。右下の21日の画像では、棚氷が崩壊しているのがわかります。

大量の水蒸気が流れ込む「大気の川(atmospheric river)」と呼ばれる現象が3月15日に発生し、南極大陸東部の気温が通常より40℃ほど上昇するなどしたことが、棚氷の崩壊の原因と見られるようです。

画像は、NASA Earth Observatoryで2022年3月29日の「Image of the Day(今日の1枚)」として紹介されたものです。

Image Credit: NASA’s Earth Observatory

(参照)NASA Earth Observatory