ハッブルがとらえたグランドデザイン渦巻銀河NGC 3631 | アストロピクス

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ハッブルがとらえたグランドデザイン渦巻銀河NGC 3631

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が渦巻銀河NGC 3631をとらえたものです。銀河の中心部のまわりに、はっきりとした渦状腕をもつ渦巻銀河のことを「グランドデザイン渦巻銀河」と呼びますが、NGC 3631はそのようなグランドデザイン渦巻銀河の1つです。おおぐま座の方向、約5300万光年の距離にあります。

地球からはNGC 3631の銀河円盤が真上から見えており、渦状腕が巻き付くように美しく伸びているようすがよく分かります。渦状腕の内側に沿うように、暗い塵の帯と明るい星形成領域が存在しています。

渦巻銀河の銀河円盤内での星形成は、高速道路での渋滞に似ています。渦巻円盤内で動きの遅い物質がボトルネックとなり、渦状腕の内側に星形成の材料となるガスと塵が集中します。「渋滞」がひどくなると重力で崩壊して新しい星が生み出されるのです。画像では新しい星は青白く見えています。

画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のウェブページで2022年5月26日に紹介されたものです。ハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)とACS(掃天観測用高性能カメラ)で撮影されたデータを使って合成されたもので、可視光の青を青色、赤外光をオレンジ色に割り当てています。

Image Credit: NASA, ESA, A. Filippenko (University of California - Berkeley), and D. Sand (University of Arizona); Image Processing: G. Kober (NASA Goddard/Catholic University of America)

(参照)NASA