“繭”に包まれた幼い天体からのX線フレアをとらえた

NASA(アメリカ航空宇宙局)のチャンドラX線望遠鏡によって、生まれたばかりの若い星「HOPS 383」からのX線がとらえられました。HOPS 383は「クラス0」と呼ばれる、太陽タイプの星の進化の最初期段階の原始星です。HOPS 383は地球から1400光年離れたところにあり、いずれ太陽の半分程度の質量の星になります。

クラス0の天体に磁気活動があるかどうかは議論が続いていますが、論文によれば今回観測されたX線フレアは、クラス0天体で磁気活動が存在しうることを示す直接的な証拠だとのことです。

上の図は、HOPS 383がドーナツ状の“繭(まゆ)”に囲まれているようすを描いた想像図です。暗褐色に描かれた繭には原始星の質量の約半分が含まれており、中心星に向かって物質が落下しています。HOPS 383の幼い星からの光は繭にさえぎられて外に届きませんが、フレア(青い部分)のX線は非常に強力で繭の外まで出てきます。右上の枠内はチャンドラがとらえたX線画像の1コマです。

この図は、繭の内部がみえるように一部を切り取ったものです。HOPS 383からの明るいX線フレアと、原始星に落下する物質の円盤が描かれています。

チャンドラ撮影のX線画像

チャンドラが観測したフレアのようすは、HOPS 383よりも進化した若い星からのX線フレアの振る舞いに似ていました。そのフレアはまた、太陽で観測される最も明るいX線フレアより2000倍も明るいものでした。

チャンドラが観測したHOPS 383のX線フレアは約3時間20分続きました。トータルで1日間弱の時間行われたチャンドラの3度の観測では、HOPS 383からの別のフレアは観測されませんでした。太陽のような恒星の進化の初期段階で、このようなフレアがどれくらいの頻度で発生するのかを知るためには、さらなる観測が必要です。

Image Credit: X-ray: NASA/CXC/Aix-Marseille University/N. Grosso et al.; Illustration: NASA/CXC/M. Weiss

https://chandra.si.edu/photo/2020/hops383/

アストロピクスではTwitterやFacebookでも更新情報をお届けしています