この画像に映っているのは、「回転花火銀河」とも呼ばれる渦巻銀河M101(NGC 5457)です。M101は、おおぐま座の方向、約2100万光年の距離にあります。M101の直径は約17万光年。渦状腕に沿って赤く輝いているのは星形成領域です。画像はハワイ島、マウナケア山頂にある口径8mのジェミニ北望遠鏡で撮影されました。
M101では、板垣公一さんによって2023年5月19日に超新星「SN 2023ixf」が発見されました。そのSN 2023ixfが、画像左側に青く輝いているのが映っています。
SN 2023ixfは、太陽の8〜50倍の質量をもつ大質量星の中心核が重力崩壊を起こして爆発する「II型超新星」です。過去5年間で最も地球に近いところで発生した超新星で、過去15年間にM101で発生したものとしては2011年に観測されたI型超新星についで2番目の超新星となります。
ジェミニ北望遠鏡では2022年10月に主鏡が損傷し、修理が続けられてきました。2023年5月に再コーティングされた主鏡が再び取り付けられて試験が行われ、6月初旬から科学観測が再開しました。M101と超新星SN 2023ixfの観測は、修理後最初の観測でした。
Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA; Image Processing: J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Rodriguez (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab), T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab).; Astronomical processing done with DRAGONS 3.1.
(参照)NOIRLab