5万光年の距離に密集する、いずれ合体する3つの銀河 ハッブル望遠鏡の「今週の1枚」 | アストロピクス

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5万光年の距離に密集する、いずれ合体する3つの銀河 ハッブル望遠鏡の「今週の1枚」

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したこの画像には、うしかい座にある合体しつつある3つの銀河が映し出されています。画像中央右にある「SDSSCGB 10189」として知られる密集した3つの銀河は、最終的には1つの銀河になると見られています。現在は、互いの重力によってその形を歪めています。画像の左の方には3つの銀河とは無関係の銀河が大きめに映り、また周囲にはより遠方にある多くの銀河が映っています。

SDSSCGB 10189の3つの銀河は、互いにわずか5万光年以内しか離れていません。私たちの天の川銀河に最も近い大きな銀河であるアンドロメダ銀河が250万光年離れているのと比べると、はるかに近い距離に3つの銀河が存在しているのです。

この観測は、銀河団中で最も明るい銀河(Brightest Cluster Galaxies、BCG)の起源を探るために行われました。BCGは、画像に映っているような、ガスに富んだ大きな銀河の合体によって形成されるのではないかと考えられています。

こちらは冒頭の画像から、オリジナル解像度でSDSSCGB 10189周辺を切り抜いたものです。

画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)とACS(掃天観測用高性能カメラ)で撮影されたもので、2023年2月13日にハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Sun

(参照)ESA/Hubble