観測史上初めて確認された四重小惑星系エレクトラ | アストロピクス

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観測史上初めて確認された四重小惑星系エレクトラ

この画像は、火星軌道と木星軌道の間にある小惑星帯に存在する、小惑星エレクトラとその3つの衛星をとらえたものです。南米チリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台にあるVLT(超大型望遠鏡)に搭載された観測装置SPHEREで撮影されました。

こちらは冒頭の画像に各衛星の軌道を追加したものです。エレクトラではもともとオレンジと緑で示した2つの衛星があることが知られていました。最近になって青で示した3つ目の衛星が発見され、エレクトラは観測史上初めて四重小惑星系と確認されました。

新たに発見された衛星「S/2014 (130) 2」は、他の衛星よりもエレクトラに近く、平均350km弱の距離を周回しています。S/2014 (130) 2の大きさは1.6±0.4km程度で、エレクトラに比べて1万5000分の1の明るさしかなく、ESOのアーカイブデータと新たな処理技術を用いることで発見されました。

この映像では、わずかですがそれぞれの衛星が公転軌道に沿って動いているのが分かります。

画像は2022年2月14日にリリースされた、ESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」です。

Image Credit: ESO/Berdeu et al., Yang et al.

(参照)ESO