小惑星表面の岩石と、衝突した探査機DARTの大きさ比較 | アストロピクス

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小惑星表面の岩石と、衝突した探査機DARTの大きさ比較

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の探査機DART(Double Asteroid Redirection Test、二重小惑星方向転換試験機)がとらえたもので、小惑星ディモルフォスの表面が映っています。

DARTは、探査機を衝突させて小惑星の軌道を変える技術の実証実験を行うことが目的のミッションで、2022年9月26日に小惑星ディディモスの衛星ディモルフォスに衝突しました。画像は衝突3秒前に撮影されたもので、描かれている白い長方形は衝突時の探査機本体や太陽電池パネルの輪郭を示しています。探査機本体は小惑星表面にある岩の間に衝突し、太陽電池パネルは大きな岩に衝突しました。衝突場所付近にある最大の岩は直径6.5メートルほどです。

ディモルフォスの直径は約160メートル、質量は約5,000,000,000(50億)キログラムと推定されています。それに対して衝突時のDARTの質量は約570キログラム。そんな小さなDARTが秒速約6.6kmで正面衝突することで、ディモルフォスの公転周期は11時間55分から約33分短くなりました。また衝突後のハッブル宇宙望遠鏡などによる観測から、衝突によって飛び散った破片や塵が彗星の尾のように長く伸びていることもわかりました。

画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)のウェブページで2023年3月2日に掲載されました。またNASAの「Astronomy Picture of the Day」でも3月9日に紹介されています。

Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL

(参照)NASA