翼を広げて飛ぶ鳥のようにも見えるこの画像は、ぎょしゃ座SU星を取り囲む原始惑星系円盤をとらえたものです。ぎょしゃ座SU星は、太陽と比べると非常に若く、また質量の大きな恒星です。
画像はESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)に搭載された「SPHERE」という装置で撮影されたものです。SPHEREは「コロナグラフ」という装置を使って中心星からの明るい光を隠すことで、恒星の周囲にある暗い領域を観測することができます。それにより、ぎょしゃ座SU星のまわりの円盤や、たなびくように円盤につながる塵が映し出されました。
円盤の周囲でたなびいて翼のように見えているのは、周囲を取り囲む星雲から円盤の中に流れ込む塵です。この星雲はおそらくガスと塵の巨大な雲が恒星と衝突してできたもので、その結果、独特の形をした円盤とその周囲の塵の構造ができたと見られるようです。VLTやアルマ望遠鏡などのデータを用いた最近の研究では、今も星雲が円盤に物質を送り込んでいることが明らかになりました。
画像は2021年2月22日にリリースされたESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」です。
Image Credit: ESO/Ginski et al.
(参照)ESO