天の川銀河などの大型の銀河は、小さな銀河との合体によって成長してきたと考えられています。似たような合体現象は、より小さな銀河でも起きたと見られています。イタリアとオランダの研究チームは、そのような仮説の検証のため、大マゼラン銀河の観測を行いました。
研究チームが大マゼラン銀河にある11個の球状星団の組成を分析したところ、そのうちの1つ、球状星団NGC 2005が他とは異なる組成をしていることが分かりました。NGC 2005は、大マゼラン銀河の中心から750光年の距離にある、約20万個の星からなる球状星団です。NGC 2005では他の10個の球状星団と比べて、亜鉛、銅、ケイ素、カルシウムが少なかったことが分かりました。
化学組成に基づいて、NGC 2005は星形成がゆっくりと進んだ小さな銀河の残骸であると研究チームは推定しています。小さな銀河が数十億年前に、今よりも小さかった大マゼラン銀河と合体し、その後、合体した銀河の大部分はバラバラに散らばったもののNGC 2005は球状星団として残ったと見ています。
Image Credit: HLA/Fabian RR/ESO/VMC Survey/Astronomie.nl [CC BY-SA 3.0]
(参照)Astronomie.nl