NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機2001マーズ・オデッセイがとらえた画像です。映っているのは衝突クレーター。2つのクレーターが、直線的な壁に仕切られて並んでいます。2005年5月に撮影されたもので、画像の幅は13kmです。
2つの隕石が時期をずらして衝突すれば、先にできたクレーターの上に重なるように、円形のクレーターが新たにできるはずです。しかし画像に映る2つのクレーターは、重なることなくぴたりとくっついて並んでいます。
実はこのクレーターは、隕石が地面に衝突する直前に2つに壊れ、その2つが同時に火星表面に衝突してできたもの。2つの円形の爆発領域がせめぎ合って、クレーター間の直線的な壁が作られたのです。隕石衝突のときの放出物が、画像上下方向に見えています。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU